【しるくわ日記】No.21 大分県の 養蚕の歴史 15

2018年09月21日

シルクワームのサンライズがある九州大分県の養蚕の歴史です。

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大分県の 養蚕の歴史15 昭和初期 太平洋戦争終戦直後

大分県の養蚕の歴史から、太平洋戦争(第二次世界大戦)を乗り越えて発展し続けた大分県の養蚕について記します。
明治時代から組織され変遷をたどった養蚕の組合は、戦争が激化した昭和18年に農業団体法が成立したことにより、全国規模の農業会へと吸収。終戦後に養蚕の自由化が始まり大分県養蚕販売農業協同組合連合会が創立されます。
それにより、これまで弱い立場であった養蚕家が、大企業を相手に譲歩を引き出し新しい時代を迎えます。


昭和22年(1947年) 終戦直後の農協法(農業協同組合法)による養蚕農協の発足

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終戦直後の昭和20年(1945)10月にGHQ(連合軍総司令部)から「蚕糸製造に関する覚書」が発せられました。

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それには、日本政府による桑園減反(作付面積を減らす)の撤回と、食料の増産に必要な土地以外で桑の栽培が出来るようにする事が記されていました。

そして政府は、昭和21年に「蚕糸業復興五ヵ年計画」を樹立して事にあたります。戦時中から、補助金制度と政府の指導で桑園の整理と転換をしてきた養蚕家は、若干の自由さを得ることができました。

しかし、依然として続く食糧不足とヤミ価格の影響で減反は進み続けます。

片山内閣:昭和22年5月24日~昭和23年3月10日

片山内閣
昭和22年5月24日~昭和23年3月10日
第46代内閣総理大臣 片山哲
(日本社会党委員長)

そのような中、昭和22年12月15日に農協法(農業協同組合法)が施行。翌年の昭和23年よりそれまでの弱い立場の養蚕家の立場を変える画期的な組合が登場します。

昭和22年の出来事
・昭和天皇が初の記者会見
・日本国憲法施行
・第1次吉田内閣総辞職

日本国憲法に署名される昭和天皇

日本国憲法に署名される昭和天皇


昭和23年(1948年) 大分県養蚕販売農業協同組合連合会創立

団体統制法によって農業会に吸収されていた養蚕組合は、農協法によって新しく組織的に独立した養蚕農協を作れるようになり、養蚕業独自の活動が出来るようになりました。

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独立した組合となるにあたり、以前の農産特約組合のように市場の負債を一身に被る不利な立場に戻ってしまうのではないかと危ぶまれる声もありましたが、養蚕関係者や養蚕農家の多くは、専門的な組合(特殊農協)での活動を強く望まれたそうです。

そして、昭和23年8月14日。ついに大分県養蚕販売農業協同組合連合会(大分県養蚕連)が創立されました。

昭和23年の出来事
・神戸新聞社「デイリースポーツ」創刊
・ロンドン五輪開幕
・忠犬ハチ公銅像が再建
・ベーブ・ルースが死去
・日本初プロ野球ナイター巨人対中日が開催
・ヘレン・ケラー2回目の来日

忠犬ハチ公銅像

忠犬ハチ公銅像


昭和24年(1949年) 戦後養蚕業の躍進に繋がる統制廃止が決定

大分県養蚕連は、全国的な規模の養蚕組合連合ともつながる組織でした。

その大分県養蚕連が創立された翌年の昭和24年に、日本政府は、新たに統制を排除することを決定します。

これにより、上繭(じょうけん/ 製糸原料として合格したまゆ)の価格等、多くの養蚕業にまつわる生産物や配給が、自由化。

しかし、自由化が進むにつれかつての戦前の特約組合のように大資本(企業)に対して不利な立場になってしまうのではないかと、心配されるようになりました

そして自由化されて初めての取引に注目が集まります。


養蚕業の自由化と価格交渉

自由化直後の繭(まゆ)取引が、全国的に注目を集め話題となります。

全国が見守る中、その年(昭和24年)、初めての取引が行われた静岡県沼津市での春繭取引交渉では、養蚕家が堂々と企業側と交渉を行い貫あたり500円(企業の主張は400円)の主張を通し企業側も譲歩する事になりました。これは、養蚕家と全国・各県の養蚕連の活動と団結により引き出せた結果だと言われています。

また、当時、繭が製糸業に対して極度に不足。買い付け競争の激化する中で各県の養蚕を担当する課が、熱心に調整を行って来られたという背景もあったそうです。

参考:昭和25年の物価
白米10Kg:990円
砂糖1kg:310円
卵10個:150円
ビール1瓶:130円
そば・うどん1杯:15円
コーヒー1杯:30円
給与所得者年収:12万円
国家公務員初任給:4,223円
繭1貫=3.75Kg:500円(昭和24年初取引)

昭和24年の出来事
・通商産業省(現・経済産業省)発足
・湯川秀樹ノーベル物理学賞を受賞
・後楽園に場外馬券売り場ウインズ後楽園オープン/後楽園競輪場完成
・穴の開いた五円硬貨発行(現代の物とは異なる)
・初のお年玉付年賀はがきを販売
・プロ野球が2リーグに分裂
・サザエさん連載開始
・北大西洋条約機構NATO発足
・イスラエルが国際連合59番目の加盟国として認められる
・ソ連が初の核実験に成功
・中華人民共和国成立
・スカルノインドネシア大統領就任(デヴィ婦人の夫)

楷書体の五円玉

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昭和24~昭和34年


【しるくわ日記】養蚕の歴史シリーズ 目次

竹田市の養蚕の歴史1 古代 豊後風土記 直桑村

竹田市の養蚕の歴史2 万治年間(1658~1660)岡藩に養蚕業興る

竹田市の養蚕の歴史3 天保年間(1830年から1844年頃)養蚕の復興

竹田市の養蚕の歴史4 文久年間(1861年から1864年)馬淵小源次と水力製糸

竹田市の養蚕の歴史5 天保・文久~明治の養蚕業の発展

江戸時代

大分県の 養蚕の歴史1

大分県の 養蚕の歴史2

明治時代

大分県の 養蚕の歴史3

大分県の 養蚕の歴史4

大分県の 養蚕の歴史5

大分県の 養蚕の歴史6

大分県の 養蚕の歴史7

大正時代

大分県の 養蚕の歴史8

大分県の 養蚕の歴史9

大分県の 養蚕の歴史10

大分県の 養蚕の歴史11

昭和初期

大分県の 養蚕の歴史12

大分県の 養蚕の歴史13

大分県の 養蚕の歴史14

大分県の 養蚕の歴史15

連載予定

 大分県の養蚕の歴史 現代


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